企画時の検討ポイント

アセスメントやアンケートを進める上では、いくつかのポイントや注意点があります。
アンケートの企画から設問を設計し、集計、フォローアップまでの一連の流れをご説明し、それぞれの検討段階で議論になるポイントをご紹介します。

議論のポイントは、アンケート・アセスメントの目的によって結論は変わってきますので、考え方や、それぞれの選択肢のメリット・デメリットを整理していきます。

まずは、アンケートやアセスメントを開始するにあたって、考えなければならないことを整理してみましょう。

 

方針を検討する際のポイント

何よりも目的が大切

社内の意識調査をしたい。顧客満足度調査をしたい。など、様々なテーマのアンケートのご相談をいただきます。しかし、アンケートをするということは、何かの目的のための手段であり、アンケート自体が目的ということはありません。「社内の意識を調査して何をしたいのか?」「お客様の満足度とは何か?その満足度を収集して、会社として何をしたいのか?」など、アセスメントやアンケートの目的を明確にすることが、調査を成功させるための最初の一歩であり、調査を成功させるためには欠かせないポイントになります。

 

次に仮説作りも成功のポイント

アンケートを開始するにあたって、漠然と実施方法を決めていては目的にフィットしたアンケートは実施できません。

例えば、従業員満足度調査であれば、「弊社の従業員は○○に不満を感じているのではないか?」「こういった部署で満足度が低いのではないか?」という具合に、顧客満足度調査であれば「顧客は○○の点について求めているのではないか?」「弊社の○○の点について不満を持っているのではないか?」など、知りたいことが何で、現状はどうなっているのかという仮説を持つことで、実施方法の選定や設問の絞り込みができるようになり、意味あるアンケートが実施できるようになります。

 

パッケージ商品を使うのか?それとも、カスタムメイドで作るのか?

世の中には、アンケートのパッケージ製品がたくさん販売されていますし、オーダーメイドのアンケートを製作・実施してくれるコンサルティング会社もあります。また、アンケートやアセスメントは社内で実施することも可能です。実施の方法についてもそれぞれメリット・デメリットがあります。

 

パッケージ製品を使用する

  • パッケージ製品ですので、設問はそれなりに練られていることが多く、回答用紙や集計表の完成度は高いものが期待できます。また、アンケートによっては、過去に実施された他社の比較データが利用できる点も魅力的です。
  • ただし、パッケージ製品は汎用性を追求していますし設問数にも限りがあります。ですので、設問自体は広く浅くとなりがちですし、自社や自社の業界・規模固有の設問はできませんので、問題点が浮き彫りになりにくい点がデメリットとして挙げられます。

オーダーメイドで実施する

  • コンサルティング会社等に依頼し、オーダーメイドでアンケートを実施する方法があります。アンケートの実施経験の豊富なコンサルタントが担当しますので、自社内製やパッケージ製品と異なった、自社独自のアンケートを企画実施できる点は大きな魅力になります。
  • しかし、オーダーメイドで作成するため、アンケートの設計のコストやコンサルティング報酬は、パッケージ製品を使用するより高額にならざるを得ません。
    オーダーメイドで実施する場合は、複数年で実施する、回答者数が大人数であるという具合に、ある程度の規模を確保しなければ、費用対効果が出てこない点がデメリットになります。

社内で実施する

  • 社内でアンケートを実施する場合、外注とことなりコストが小さく、簡便に実施できることが大きなメリットです。また、現場の状況をよく理解している自社の社員が主導して実施するため、きめ細かいフォローも出来る点も魅力であると言えます。
  • しかし、自社の社員が実施する場合は、アンケートのノウハウが無いため、実施はしたけど、問題点が見えて来なかった。担当者が凝ったアンケートの回答用紙と、集計データベースを構築したが、その担当者が異動となってしまうと、引き継いだ担当者が製作したツールを使いこなせず、翌年以降に再現ができないなどのアンケートの品質や安定性に難点があります。

それぞれのメリット・デメリットを踏まえた上で、どのような方法で実施するのかを検討していくことが大切です。

 

 

匿名回答とするか、記名回答にするか?

アンケートの回答時に記名式にするかという点についても、大きな論点になります。匿名の場合、比較的自由闊達に意見をしてもらえますが、「誰が回答をしていないか?」確認することは出来ません。一方で記名回答にすると、アンケートの回収状況は管理しやすく常識的な回答をして来る傾向があります。しかし、名前が記述されるがゆえに、本当のことや書きにくいことは回答し辛い傾向にあるため回答の内容が本心から記述されているかどうかの疑問が残ってしまいます。

仮に、無記名回答とした場合もアンケートの回答欄に記述する属性(性別、勤務地、所属部署など)を多く回答させてしまうと、本人が特定できてしまう可能性が出てくる点は要注意です。また、匿名といいつつ、回答用紙に細工をし、誰の回答用紙か把握したいというご依頼もあります。しかし、準備の負担や細工をしたことが発覚した場合、信頼関係が大幅に低下してしまいますのでお勧めはしません。

 

 

回答方式を考える(紙の回答用紙と、ウェブの回答用紙のメリット・デメリット)

アンケートやサーベイを回答するにあたって媒体を何にするのかという点も配慮が必要になります。
紙の媒体の場合、手元にパソコンやタブレットのない社員も回答がしやすいというメリットがある反面。用紙の管理や授受の手間(拠点間を移送する場合は郵送コスト)が発生します。また、一度印刷工場に回してしまった場合、誤字脱字等の訂正は難しくなります。
一方で、ウェブのアンケートは紙媒体と異なり、印刷コストや書類のやりとりの手間は省けますし、メールの一斉同報で回答ページのURLを送付するという方法を用いれば、用紙の授受管理の手間もなくなります。また、回答の利便性と言う観点で見ても、移動中の電車の中など社員が回答したいときに回答することも可能です。
しかし、ウェブの回答画面を設計・構築の手間が大きいですし、私用も含めてパソコンやタブレットを使用しない社員が回答出来ないという不便さもあります。また、海外駐在員などによっては通信回線事情の悪い地域もいまだに存在しえますので、ネットワークにアクセスできないというケースも考えられますので、目的と対象者を踏まえ、どちらの媒体の方が回答しやすいのか検討が必要になります。

 

 

回答の時期を考える(繁忙期等を考慮する)

アンケートの設計そのものに視線が行きがちですが、実施時期についても忘れてはいけません。現場の繁忙期にアンケートを依頼しても、回答率を期待することは難しくなってきますし、回答されたものについても、現業が忙しい中で片手間に回答してきている可能性も高くなります。アンケートの目的を踏まえると繁忙期に実施せざるを得ないケースもあり得ますが、現場の繁閑も踏まえたうえでスケジュールを組んでおくこともアンケートやサーベイを成功させるための忘れてはいけないポイントになります。